女の肌を思い出させるもの

28/April/2023 in Tokyo

よく晴れた暑い日

純白のサマードレスを着た若い女

日差しの下で見る白

彼女の身体が光を放っているよう

白の生地が太陽の光をすべて反射していた

信号待ちの群衆の中で彼女一人だけ輝いていた


2週間ほど前からカフェの周りにはピンクや紫のツツジが咲いている

こころ誘われるのは白のもの

初夏のような強い日差しをあびる白のツツジである

一面に咲いた白のツツジに陽の光が当たると、花の輪郭は消えてしまう

真っ白に塗りつぶされているように見える

みながひとつになって輝きが増したように見える


花弁へ手を伸ばす

女の肌に触れたようだった

水分があってしっとりしている

陽の光で暖まっている

指を這わすと抵抗がある

極小のラメを載せたように青く輝いている

匂いはかすかにあるだけ

サマードレスの女を思い出した