by axxxm
4/May/2023 in Tokyo
重く
垂れ下がった、重い紫の花弁
薄く
もう一つの花弁は薄い白色で、空に伸びている分、紫の花弁の重さが引き立つ
「だらり」という言葉が浮かぶ。
紫の着物が、椅子の背にかけられイメージが浮かんでくる。
谷崎の短編『秘密』に次のような一文があったからだった。
『私は衣服反物に対して、単に色合が好いとか柄(がら)が粋だとかいう以外に、もっと深く鋭い愛着心を持って居た。......あの古着屋の店にだらりと生々しく下って居る小紋縮緬の袷――あのしっとりした、重い冷たい布(きれ)が粘つくように肉体を包む時の心好さを思うと、私は思わず戦慄した。』