儚い。でも永遠

2/February/2024 in Tokyo

*English ver

「好き」という、なにかに対する気持ち。誰かを想う気持ち。


常々、人間の感情、とくに「好き」という感情ほど、長持ちしない、頼りない、儚いものはないと思っていた。

しかし同時に、「好き」という感情には、「永遠」といったものへ、どこか遥かなところへとつながっている確信もあった。これは以前ここに書いた。


昨日の新聞には、元旦の能登の地震で亡くなった人へのメッセージが3面に渡って載っていた。

娘から母へ
夫から妻へ
祖父から孫へ
友から友へ
同僚から同僚へ
子から母へ
弟から兄へ
先生から生徒へ
弟子から師へ……

その中に、能登の伝統の製塩技術の教えを受けた人の書いたものがあった。

地震で亡くなった師へのメッセージ。

「あなたの思いをつないでいく」と結ばれていた。


思いをつないでいくこと。

思いを継ぐこと。

感情は永遠になり得るものなのだと思った。

曖昧で、頼りなくて、儚い、この「感情」というもの。

人に伝えれば永遠になり得るのだと思った。

自分の中に留めておくのではなく、人に伝えて、わかってもらえれば、この儚く流れ去ってゆく感情というものも永遠になり得るんだって。

自分の中の「好き」という気持ちが純粋であれば、そしてその気持ちを正しく受け止めてくれる人に巡り会えれば、永遠になれるんだって。