原始の景色

5/February/2024 in Tokyo

*English ver

江ノ島にて。

丘から大きく広がる海を見て、おそらくこれが今も残る唯一の景色だと思う。

日常の景色は時代の流れですっかり変わってしまっている。街も、家の中も、服装も。しかし自然に囲まれたこの丘から見える大海の景色だけは、おそらく同じ。

昔の人もこれとまったく同じ景色を見ていた。
昔の人とまったく同じ景色が見える。

昔の人がこれを見て感じたこととまったく同じことを自分も感じられる場所。



江ノ島にて、海を見て思ったこと。

古(いにしえ)の人たちとまったく同じ感情を覚えられる唯一の場所とは、たぶんこうやって海を自然の高台から見たときなのではなかろうか。

街の景色も、家の中も、人々の見た目も、時の流れの中で絶えず変わってゆく。絵でそれらを見ることはできても、絵師たちがその時その風景を前に抱いた感情を感じることはできない。しかし、自然の高台から見る大海の景色の中には、人間の手によるものはひとつもなく、すべて自然。

冬の枯れ枝、島、雲、波、水平線、太陽、青、白、その間の色すべて。

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