詩集を読む

17/June/2024 in Tokyo

poetry

*English ver

『倚りかからず(茨木のり子/1999)』を手に入れた。

カバーに厚みのある単行本サイズの詩集。

パッと開いて、書かれている文字を読むよりも前に気がついたのは、余白の多さ。

詩集だから当然だが、「小説なんかとは違う」といった詩集の矜持を見たような


読み始めて、これはとってもぜいたくな詩集だとわかった。

文字が占めているのは、ページ全体から見たらわずか。

何もかかれていない白が大半。

環境にはとても優しくない。

しかしここではじめて、詩集は書かれている文字だけではなく、この空白も詩の一部なのだと気がついた。

余白があるから息継ぎができる。
文字が少ないから文字ひとつひとつを味わえる。
そして単純に、見た目がきれい。


本を選ぶとき、私は得てして持ち運びのしやすい文庫本を選びがちだが、それは書かれていることだけに意味があるとみなす効率主義、資本主義の考え方でしかないことに気が付かされたのだった。