by axxxm
20/May/2023 in Tokyo
日本人女性のフランス留学体験記を見る。
フランスで通い始めた語学学校にいた若い日本人男性と身体の関係を持つが、あくまで彼女はそれを単なる一時の遊びと考えている。
一方で男の方は盛り上がってしまい、「この教会で結婚式をあげたらどんなだろう」となどと言い出し、浮かれている。
こういう男の姿を思い浮かべるのは簡単だ。
男なら誰しも若いころに一度はこういう盛り上がりを味わうものだろう。
そして後年ふり返ったときに恥じらいを覚えるものだろう。
しかしなぜなのか。
若い男はなぜこうも盛り上がってしまうのか。
理由の1つ目は、テレビのメロドラマや大衆小説など、社会に溢れる「ストーリー」を信じ切って、そこで描かれているもの、「男と女が出会い、死ぬまで一緒」というおとぎ話を無条件に、ナイーブに信じているからである。
つまり恋愛の経験が足りていないのである。
2つ目の理由は、人間の感情とは複雑怪奇で白黒では決して割り切れないこと、つまり感情を理性とか論理とかいった人工的なもので統制することは不可能であるのを知らないためである。
3つ目はマジメだからである。
恋愛経験が少なく、人間心理への理解が浅い青年は、不安だ。「自分の考え」がないことは不安だ。
だから社会で認められているもの、マジョリティによしとされているもの、社会の最大公約数的なものに自分からすり寄っていって安心を得ようとする。
つまり「結婚」とか「彼氏・彼女」とか、「最初のデートはディナーに行く」とかいった型にはまろうとする。
しかしこれは絶えず変化し絶えず流れる曖昧模糊な「現実」に、四角四面の原色のプラスチックの型枠をはめようとすることである。
当然うまくいくわけがない。
これらの3つの根本にあるのは「不安」である。
「目の前のこの女性を逃したらもう次はないかもしれない」、つまり自分が十分に魅力的で、この女性を失っても他の女性を魅了できるという自信がないから、いま自分の得ているもの(=目の前の女性)に執着するのである。
「未経験」「未成熟」「マジメ」、そして「不安」。
こんな男が、いやこんな人間が魅力的であろうか。
しかも20代前半の女性は同年の男よりも圧倒的に経験値が高く、かつもっとも選択肢があるのだ。
それでは若い男はどうすればいいのか。
「出会いの機会を増やす」や「彼女以外に熱中できるもの(趣味・仕事)をつくる」とかいったことはもちろん有効だが、根本的な解決策は歳を重ねること、人生の経験を積むことだろう。
自分の人生をまるで壊れもののようにうやうやしく丁寧に扱うことをやめ、いつでも廃棄できる、使い捨てのモノのようにみなすことだろう。
仮にそうしてみても、人生とはなかなか壊れてくれないである。
人生はしぶとい。
捨てようとしても捨てられず、終わらせようとしてもなかなか終わらせられない。
そうしていると、恋愛とは単なる娯楽であり、人生のエンターテイメントのひとつであり、単なる時間つぶしであり、自分自身と向き合うことから逃避する手段のひとつに過ぎないと知るのである。